最終更新日 2025.8.8. by fukufukuyama
ペット火葬における服装の選び方は、意外に多くの人が悩むポイントです。弊社にも「ペット葬儀の時にはどんな格好をしたら良いでしょうか?」とお問合せをいただくこともございます。
この記事ではペット火葬に適した服装や注意点、また持ち物などのマナーについて解説していきます。
ペット火葬に相応しい服装とは?
結論から言うと、ペットちゃんのご火葬や葬儀において服装の決まりは特にありません。
ただし、ペットちゃんを見送る遺族側なのか、友人や知人のペット葬儀に弔問する側なのかによっても少々変わってくるかと思います。
遺族として立ち会う場合の服装
遺族として立ち会うペット葬儀の場合、皆様普段から着慣れた私服で見送られる方がほとんどです。時折、ご家族皆様で喪服を着て立ち会われる方もいらっしゃいます。ご家族様がペットちゃんを想い、「普段と変わらない姿で見送ってあげよう」と思われるか、「人と同様に弔う気持ちで厳かに見送ろう」と思われるかによって、ご家族様ごとに立ち会う際の服装は異なります。
知人や友人のペット葬儀に参加する場合の服装
知人や友人のペット火葬に参加する際の服装選びは、相手の感情や場の雰囲気に配慮したものを心掛けることが大切です。葬儀においての服装の基本となる「慎み深く、落ち着いた色合い」に準じたほうが無難かと思います。人の葬儀と同様に、黒やグレー、ネイビーなどの暗い色が一般的に好まれます。これらの色は、弔いの場に相応しい厳粛な雰囲気を醸し出すためです。
服装のスタイルとしては、清潔感のあるきちんとした服装が推奨されます。男性であれば、シンプルなシャツにスラックスやチノパンを合わせるのが無難です。女性の場合は、シンプルなブラウスやカーディガンにスカートやパンツを合わせると良いでしょう。露出の多い服装は控え、上品な印象を与える服装を選ぶことが大切です。
ペット火葬の場合、人間の葬儀のように服装にはそこまで厳格なルールはないですが、遺族の方がもし皆様喪服でいらっしゃった場合でも最低限失礼の無いような服装で参加するのが好ましいかと思います。
また、当事者の飼い主さんと親しい間柄であれば、事前に参加の際の服装の確認をしておくのも良いでしょう。「当日は皆様、服装はどうされますか?」と聞いてみるのも失礼ではありませんので、不安な際には確認をしておきましょう。
最後に、全体的な身だしなみも忘れずに整えておくことが重要です。髪型や爪の手入れなど、細部にまで気を配ることで、相手への敬意を示すことができます。知人や友人の大切なペットの最後の見送りに参加する際は、その場にふさわしい服装で参列して、相手の気持ちに寄り添った行動を心掛けましょう。
ペットちゃんの写真がプリントされたお揃いTシャツでの服装で参加も
弊社でこれまでお見送りのお手伝いをさせていただいたご家族様の中には、ご家族皆様でそのペットちゃんのとっても可愛い写真がプリントされたオリジナルのTシャツをお揃いで着用してお越しになられたかたもいらっしゃいました。
家族の絆をペットちゃんがより強くしてくれたことが表れているようで、お見送りのお手伝いをする側の私共もとても心があたたまりました。お見送りの際にはTシャツのお写真についてもお話が広がって、ご家族様で朗らかな笑顔で思い出話をされるという場面もありました。
このように、家族単位で見送ることが多いペット葬儀の場合には、お葬式でのマナーや決まり事よりも「自分たちらしく」「あたたかく」という気持ちのほうが大切だと思います。
ペット火葬を行う場での持ち物
ペット火葬は、愛するペットとの最後の別れを告げる大切な儀式です。そのため、適切なマナーを守ることが重要です。ここではペット火葬に適切な持ち物や注意点、また避けるべき服装やアクセサリーなどについて解説していきます。
ペット火葬での持ち物 ~家族にとってのお役立ちグッズ~
以下に挙げる持ち物は、ペット火葬の場で必要となる基本的なアイテムや、数々の葬儀に立ち会ってきた私共スタッフがおすすめするアイテムです。
ハンカチ
愛するペットの最期を見送る場面では、涙を流すことが少なくありません。そのため、ハンカチを持参することで、涙を拭くための準備を整えておくことが大切です。また、涙を拭くためだけでなく、汗を拭いたり、万が一の汚れを拭くためにも役立ちます。
ティッシュ(箱)
ご家族様の中には、涙を拭いたり鼻をかんだりすることを想定してティッシュを箱ごと持参される方もいらっしゃいます。ふくふくやまのアトリエにも常にご家族様がご使用いただけるティッシュの準備はあり、その他のペット葬儀場ではティッシュを準備されている場合も多いですが、Myティッシュを脇に抱えながらお見送りをされるご家族様も多く、手元にあると安心というかたは持参される方もいらっしゃいます。
飲み物
たくさん涙を流すと喉がとても乾きます。気持ちを落ち着けたり、喉を潤すためにも飲み物があると安心です。
ウェットティッシュ
こちらもあると便利です。ペットちゃんの亡骸を最後に抱っこした際にお洋服や手に血や排せつ物がついてしまう場合もあり、近いところで手を洗う場所が無い葬儀場の場合には困る場面もあるかと思います。手指の消毒のためにもウェットティッシュがあると何かと便利です。
待ち合いの間に食べられる軽食
ご火葬の間は、30分~1時間半ほどの待ち時間がある場合が多く、ペットちゃんのお身体の大きさによって待ち時間の幅は様々です。葬儀場や霊園内が飲食禁止でない場合には、待ち時間に持参したものを食べながら気持ちを落ち着かせて待つのも良いでしょう。
頭痛薬、鼻炎薬などの常備薬
以前、ご火葬に立ち会われたご家族様が「泣きすぎて絶対に頭が痛くなると思ったので頭痛薬を持参しました」とおっしゃる方がいらっしゃいました。また、葬儀場や霊園の空調などによって鼻炎を起こしてしまう場合も考えられます。ペット火葬場や霊園で過ごす時間は決して短くなく、万一の体調不良の際に対応できるように常備薬を準備しておくと良いでしょう。
ペット葬儀での持ち物 ~ペットを見送る際の副葬品~
大切なペットちゃんの旅立ちに後悔が残らないよう、一緒に火葬炉に納める副葬品についてもご紹介します。
ペットの好きだったおもちゃやおやつ
ペットの好きだったおもちゃやおやつは、一緒に火葬炉に納められることもできます。
ただし、ゴム製やプラスチック製のものは有害物質が出る可能性もあるため、納められないものは事前に火葬業者に確認を行うようにしましょう。一緒に納められなくとも、祭壇には飾ることはできる可能性もあるため、こちらも事前に確認をしても良いと思います。
お花
花も一緒に火葬炉へ納めることもできるため、大切なペットの火葬を華やかにしたいときは、花を用意するのもいいでしょう。また火葬場によっては、納められる花の量に限度があるため、具体的な量が知りたい方は事前に確認すると確実です。
「お花はどれくらいの量を準備して良いでしょうか?」と聞いてみるのも良いでしょう。
さらに納める花は、ペットちゃんのイメージに合ったお花や、自然な色合いの花を選ぶことが一般的です。ペットちゃんの場合には仏花に限らず、可愛らしいお花を選ばれる方も多いです。
別記事で、ペット火葬 棺に入れる花の選び方と意味 お花を贈る際の注意点 というご紹介も掲載しておりますので、ぜひそちらもご覧ください。
ペットの写真
火葬の場でペットの写真を手元に置くことで、愛するペットとの思い出を振り返りつつ、最後の別れを心静かに迎えることができます。また、写真を見ながらペットとの思い出を共有することで、他の参加者とも心のつながりを感じることができるでしょう。
ペットの写真は、火葬後に設置する祭壇やお供え物の一部としても活用できます。特にペット霊園や専用の火葬施設では、写真を飾るためのスペースが設けられていることが多く、そこに写真を配置することで、ペットが生前にどれだけ愛されていたかを象徴的に表現することができます。また、訪問火葬の場合でも、火葬車内やその周囲に写真を置くことで、飼い主の心の中でペットが近くにいるように感じられます。
骨壺
ペット葬儀のプランのなかで骨壷が含まれていない場合もあります。または、骨壷が別途有料の場合もあるため、自身の気に入った骨壷に火葬後の遺骨を納めたい場合には骨壺や箱を用意することをおすすめします。火葬業者によっては提供される場合もありますが、自分で選んだ特別なものを用意するのも良いでしょう。
※ふくふくやま・そよふくのペット火葬の場合、ご料金の中に骨壷も含まれており、骨壷カバーも複数種類からお選びいただけますので特別なご用意は不要です。
ペット火葬で避けるべき服装や化粧、香水について
まず服装や化粧に関してですが、葬儀の場面ですので派手な色やデザインの服装・化粧は避けたほうが良いでしょう。ペット火葬は厳粛な場であり、遺族や他の参加者に対して敬意を払う必要があります。そのため、黒やダークカラーのシンプルな服装やナチュラルメイクが適しています。また、マナーとしてカジュアルすぎる服装も避けましょう。ご家族の方が普段着ではない場合には、ジーンズやTシャツ、スニーカーなどは不適切です。
靴に関しても注意が必要です。高いヒールや派手なデザインの靴は避け、シンプルで歩きやすいものを選びましょう。ペット火葬場や霊園内では、室内外を移動することが多いため、動きやすい靴が適しています。また、靴の音が響くようなものも避けた方が良いでしょう。静かな場での歩行音は他の参加者に不快感を与える可能性があります。
さらに、香水についてです。火葬場は静かで厳粛な雰囲気が求められる場所です。香水の強い香りは、その雰囲気を壊してしまう可能性があります。特に、他の参列者が香りに敏感な場合や、アレルギーを持っている場合、香水の使用は不快感や健康被害を引き起こす恐れがあります。ペット葬儀には、同居のペットちゃんや他の参列者がペット連れで参加する場合もありますので、香りの強いものは避けたほうがよいでしょう。
最後に動物の毛皮や革製品は、ペット火葬の場においては避けるべきアイテムの一つです。理由は複数ありますが、最も重要なのは倫理的な配慮と感情的な側面です。ペット火葬は愛するペットの最後の別れを告げる神聖な場であり、他の動物の毛皮や革を身に付けることは、参列者やペットの飼い主にとって不快な印象を与える可能性があります。
ペットのお葬式の持ち物でよくある質問
ペットちゃんのご葬儀に参加する場合、一般的な人のお葬式では必要なものがペットの場合はどうなのかを疑問に思われる方もたくさんいらっしゃいます。お布施や香典の必要性など、ここでは、ペットちゃんのお葬式の際の持ち物でよくある質問をご紹介します。
お布施は必要ですか?
お布施は、葬儀の際にお坊さん(僧侶や住職)に頼んでお経をあげてもらう場合には必要となることが多いでしょう。お布施はペット葬儀の金額とは別に包む必要がある場合が多いですが、特に読経をする予定が無い場合には不要なものです。
ペット火葬に香典は必要ですか?
遺族としてではなく、友人や知人のペットちゃんのお葬式に参加する場合「香典は必要なのか?」が疑問になる方も多いかと思います。お香典に関しては各個人の気持ちによるものですが、ペットちゃんのお葬式の場合には香典としてお金を包むよりも、一緒に添えたり祭壇に飾ったりできるお花やおやつを持参される方のほうが多いような印象があります。香典を準備するかどうかは、ご遺族ではない他の参加者の方と事前に連絡を取り合うことができる場合、「お香典はどうしますか?」と足並みをそろえるのも良いでしょう。
香典ではなく、ご葬儀の参加者の連名でお花を準備される方もいらっしゃいます。
数珠は必要ですか?
数珠に関しては、持参されるかどうかはご家族様によって大きく異なり、ペット葬儀の場合に数珠が必要というマナーは特にありません。人のお葬式に準じて弔いをするかたは持参される方もいらっしゃいますが、お持ちにならない方が多いでしょう。ペット葬儀に参加する際の服装が喪服の場合には、数珠を持参される方もいらっしゃいます。
まとめ
ペット葬儀での服装は、マナーよりも気持ちを込めた服装選びが大切です。また、必要な持ち物も事前に知っておくことで、当日に戸惑うことも少なくなるでしょう。
弔問客としてのペット火葬の服装選びに迷った時は、最低限のマナーを守りつつ、ご遺族のかたを想ったそのペットちゃんらしいお別れの形を考えてみてください。ペットちゃんとの最後の思い出を大切にするために、あたたかい気持ちで選んだ服装で心を込めたお別れをしましょう。