最終更新日 2025.7.1. by fukufukuyama
ペットちゃんと歩む大切な思い出を笑顔で振り返るために、今からできることは何でしょうか?
愛するペットちゃんとの日々はかけがえのないものであり、その瞬間を思い出として写真に残すことは、未来の自分へのあたたかなプレゼントとなります。この記事では、ペットにストレスをかけずに、家族全員が自然体で写る思い出写真の撮り方を紹介します。
現在進行形でペットちゃんの看病や介護をしていらっしゃる方が、この先々に大切な子との時間を心穏やかに振り返ることができるための1つのお手伝いとなりますよう、「ペットとの日々を笑顔で思い出すために生前からできる思い出写真のススメ」として書いたこのコラムが、思い出作りのお手伝いとなればと願っております。
ぜひ、このガイドを参考にして、ペットちゃんとの思い出を豊かに刻んでください。
絶対に思い出になるペットとの記念写真の撮り方
大切なペットとの記念写真を撮影する際に重要なポイントを3つご紹介します。
1.ペットにストレスをかけないこと
記念撮影というと、写真館や出掛け先などできれいな写真を撮ることを考えてしまいがちですが、介護中のペットちゃんたちの場合には外に出ることも体力を消耗してストレスになってしまいます。
また、無理に体勢を変えたり、慣れていない抱っこをしたりすることで体調を崩してしまう可能性もあるため、あくまでペットちゃんにストレスをかけないように無理の無い範囲で撮影をしましょう。
2.家族が一緒に写ること
お手持ちのスマートフォンの中は、ペットちゃんだけのワンショットでいっぱいになっていませんか?
一緒に過ごしてきた思い出を記念として残すためには、家族が一緒に過ごしている日常やお世話の様子を、家族が一緒に写って撮影することが、後々のとても良い思い出になります。
誰かの手を借りたり、スタンドや三脚を使ったりしながら家族が一緒に写れるように工夫してみましょう。
3.気構えず日常を撮ること
私自身が愛犬の介護を振り返ったときに、何気ない日常を撮った写真が、その時の気持ちや愛犬の息づかい、ぬくもりまで思い出させてくれたような気がしています。
バッチリ写りの良い写真も魅力的ですが、「いつもの様子」を撮影することも、大切な思い出の1ページとして残しておくのに良いでしょう。いつもいる場所、いつも使っているものなども背景に入れながら撮った写真は、ペットちゃんとの日々を振り返るときにより思い出が鮮明に蘇るための大切な1枚になることでしょう。時が過ぎて「昔住んでいた家」などとともに写っていると、よりノスタルジックな1枚として様々な思い出やその時の気持ちを思い出させてくれることと思います。
ペットとの大切な日常を残すおすすめの写真の撮り方
それでは、「具体的にどんなふうに写真を撮ればいいの?」と、記念に残す写真の撮り方に不安や疑問を抱く方も多くいらっしゃることと思います。ここでは、実際の写真のおすすめな撮り方やアングルを、実例を交えてご紹介いたします。
顔を寄せ合っている写真
鼻先をくっつけている所、頬を寄せ合っている所も良いでしょう。お顔を寄せ合うお写真であれば、介護中のペットちゃんが伏せをして休んでいる楽な体勢の時にも撮影ができます。にっこり笑ったり、ウィンクをしたり、一緒に眠っているような表情をしたりといろんな表情で撮ってみましょう。
見つめ合っている写真
カメラに対してペットちゃんも家族の方も横顔を撮影するような形で、見つめ合っている写真を撮るのも良いでしょう。なかなか目が合ったその瞬間を撮影するのは難しい場合もありますので、連写モードで撮影してその一瞬がカメラに納まるようにトライしてみましょう。
手を握っている写真
ペットちゃんの可愛いお手手を、家族の方の優しい手で包み込んでいる写真もとてもあたたかな記念になります。表情も一緒に写すのも良いですが、手元にアングルを寄せて撮るのもおすすめです。
大きなお手手、小さなお手手、触れていたぬくもりまで思い出すことができるような1枚になることと思います。
家族みんなで記念撮影風に撮る
家族みんなでペットちゃんを囲んで撮影するのも、とても良い記念になります。記念撮影風に撮るお写真は、のちに現像してお家の中に飾っていらっしゃるかたや、ご葬儀の時にペットちゃんに一緒に持たせて旅立たせていらっしゃる方も多く、家族みんなの思い出としての大切な1枚になることでしょう。
家族みんながペットを見つめている写真を撮る
カメラ目線も良いですが、縁あって迎えた大切なペットちゃんを家族みんなが見つめているという写真も、愛情あふれた1枚になります。ふくふくやまでも、ご火葬の前にお写真の撮影をご家族様から頼まれることもよくございますが、その時にはご家族様がペットちゃんを抱っこしたカメラ目線のお写真のほかに「〇〇ちゃんを見つめてあげてください」とお声がけをして、家族のかたがペットちゃんを見つめているお写真も撮らせていただくこともございます。
我が子を見るような目線、大切なきょうだいを想うような優しい視線、ご家族様それぞれの思いが優しいまなざしとなった1枚を残してみるのはいかがですか?
記念日、イベント、節目などの写真を残す
ペットちゃんがおうちに来た記念日やペットちゃんの誕生日、一緒におでかけした事・体験した事、お花が綺麗な季節・ハロウィンやクリスマスなど家を装飾してペットちゃんにも被り物をさせたり・・・特別な日を家族と一緒に過ごした思い出を形に写真に残すのもいいかもしれません。
介護中でおでかけが難しい子でもその子の周りを華やかに飾り付けて「今日は〇〇の日だよ!」とペットちゃんにお声がけし「うれしいね、ありがとうね」と撫でながら気持ちを伝える日をつくってみるのはいかがですか?
家族が介護をしている所を撮る
ペットちゃんの晩年、闘病する時間や老化していく身体と向き合って頑張っているのはペットちゃんたちだけではありません。支えているご家族様の日々のお世話の様子もぜひ写真に納めてみてはいかがでしょうか。流動食を飲ませている様子、おむつを替えている様子、寝返りを打たせている様子、その1つ1つのお世話の中にあふれるペットちゃんへの愛情がきっと写り込んでくれることでしょう。
そしていつか、介護をしていた日々を振り返るときが来た時に「あの時は必死で頑張っていたな…」「あの子も本当によく頑張ってくれたな…」と、自分自身やペットちゃんの当時の頑張りを労うことがきっとできることと思います。
体験談:愛犬の1周忌に見返した写真
2025年7月3日は、昨年亡くなった愛犬の一周忌です。スマートフォンの機能で「去年の今日」などのように自動的に思い出を振り返り写真が出てくる機能が目に入り、1年前の6月末あたりは介護に明け暮れて気を張っていた毎日を送っていたことを思い出します。
老犬介護をしているときには、やっとご飯を食べたりお水を飲んだりした瞬間、少しだけ立ち上がれた瞬間、ちょっとだけ笑っているような顔をした表情など、愛犬の「小さな変化」をスマートフォンに納め続けていました。
その傍らで、そばで介護の様子を見ていたスタッフが愛犬を介護する私たちの様子を撮影し続けてくれていました。補液の点滴をするために家族やスタッフみんなで愛犬を囲んで介護している様子、抱っこしてお庭を散歩させていた時の様子、ギュッと抱きしめているときの姿・・・どれも、自分でスマートフォンを握っている状態では撮影できない写真ばかりでした。
その写真が、愛犬との日々を穏やかに振り返り、「こんなに頑張っていたな」と自分を励ます材料になったり、「こんなにみんなに大切にしてもらって、きっと幸せだっただろうな」と病気で亡くなった愛犬の生涯を悲観することなく振り返ることができたり、「たくさん協力してくれたみんなに本当に感謝している」という気持ちになったりと、とてもあたたかい気持ちにさせてくれたのが、介護をしている自分たちも写った写真の数々でした。
写真を見ていれば涙が流れることもいまだにありますが、それは悲しいだけの涙ではなく、「一緒に居られてすごく幸せだったな」と心をあたためてくれる涙なのだと思います。ペットロスを癒し、苦しみを和らげるための1つの方法として、看病をして頑張っていた自分自身の写真があるのも心のケアとして良いのかもしれないと、身をもって体験しました。
体験談:介護の様子を撮影し続けた時の気持ち
元気だったころは自然とカメラを向けて思い出を残していたことと思います。ですが、介護の日が急に始まり一日いちにちが必死で気持ち的にも余裕がないと思いその時の様子を残そうと思いました。
私自身、会社にいるわんちゃんとの過ごした日々は数年でしたが、出勤をすればしっぽを振って挨拶してくれたこと・一緒に遊んだこと・たくさん撫でたこと・・・たくさんの癒しと思い出をくれました。このわんちゃんは会社とお家を行き来していたため、会える人との大事な時間・会えない時頑張っていたよと姿を見せてあげるのにも、スタッフの立場からでしたが支えながらその時の瞬間を写真と動画で残し続けました。
苦しいときでも大好きな人に会った時、力を振り絞って立とうとする瞬間や思うように立てなくてもしっぽを一生懸命に振っているところ。みんなの様子を見て安心している瞬間や笑顔を見せてくれた瞬間、久しぶりに食べ物を食べてくれたとき・・・私たちはその度に感動と嬉しさで涙がとまらなかったことを覚えています。辛い苦しいの中でも、わんちゃんは表情や感情をたくさん見せてくれて私たちを最後まで笑顔にしてくれました。
こんな時にカメラ向けて写真を撮るなんて…と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、「家族の一員」として記録を残す・思い返せるのは記憶だけではないと思います。ペットとの思い出を形に残して気持ちが落ち着いたとき振り返り向き合える時間になればなと思い、私は写真や動画・思い出作りを大切にしています。
撮ってもらうことが難しい時は三脚や何かに立てかけて、自分たちも映れるようにセットすると自然な写真や動画が撮れ何気ないペットちゃんの表情に気付けるかもしれません。
メモリアルグッズに残せる写真の撮影
ペットちゃんたちが頑張っているうちはまだまだ考えたくはないですが、いつか見送るときが来た時に、その愛らしい姿や思い出のワンショットを何かグッズに残しておきたいと願うことが誰しもあります。写真が入ったお位牌やお骨壷カバー、そのほか様々なメモリアルグッズが世の中にはたくさんあって、いざ作りたいと思ったその時に「もっと写真を撮っておけばよかった」となる方もいらっしゃいます。
愛するペットのベストショット
可愛い表情、笑顔の写真、いたずらをしているときのおもしろい表情、怒られた時の不服そうな顔、得意技ができた時の自慢気な表情、トリミングしたてのふわふわな毛をした可愛い姿…いつも家族を笑顔にしてくれたその姿は、できるだけたくさん撮っておくと良いでしょう。その中から特別な1枚を家族で話し合って作るメモリアルグッズは、いつまでも大切なペットちゃんをそばに感じることができる宝物となることと思います。
肉球の写真
前述の、「手を握っている写真」というものに近いのですが、ペットちゃんの肉球(手のひら)単体のお写真を撮っておくのも良いかと思います。肉球の写真をそのままキーホルダーにしてくれるメモリアルグッズショップがあったり、今後羊毛フェルト人形などの立体物にするときにも、肉球の色の情報が必要になることもあります。
肉球の横に1円玉を置いて一緒に撮影し、その後スマートフォンなどでその写真を見たときに、画面の上に1円玉を置いて同じ大きさになるように引き延ばせば、等身大の肉球になりますよ。
お顔だけではなく全身の写真も
ふくふくやまでペットちゃんのメモリアルグッズとして「羊毛フェルト人形 てのりっこ」をお作りになるご家族様によっては、なかなか後ろ姿やしっぽの写真が無いとお悩みになる方もいらっしゃいます。その時には、背中の模様がある子の場合には図示していただいたり、しっぽの形はネット上に載っている近いかたちの子の写真を送っていただくなどして制作側も情報を集めながら工夫をして制作をさせていただいておりますが、やはりその子自身のお写真があるのがベストです。ぬいぐるみなどのメモリアルグッズを作るに限らず、可愛い姿をよりたくさん残しておくためにも、お顔だけではなく全身や足の裏のお写真まで撮っておくことがおすすめです。
ペットとの思い出を写真に残すことは、いつかやってくる未来に向けた心の準備のためにも大切です。特に、介護中の方にとっては、ペットとの日常を写真に収めることで、その時間をより豊かに感じることができるでしょう。ペットにストレスをかけず、家族全員が自然体で写る写真は、後々の大切な宝物になります。日々の小さな瞬間を大切にし、写真を撮ることで、記憶を鮮やかに残せます。次にできることとして、写真を見返したりアルバムを作ったりして、ペットとの思い出をさらに深めてみてください。また、特別な瞬間だけでなく、何気ない日常を記録することも忘れずに。これからもペットとの素晴らしい思い出をたくさん作りましょう。